箱根新道
自動車専用道路 | |
---|---|
| |
箱根新道 国道1号バイパス | |
路線延長 | 13.764 km |
開通年 | 1962年 |
起点 | 神奈川県足柄下郡箱根町湯本 |
終点 | 神奈川県足柄下郡箱根町箱根 |
接続する 主な道路 (記法) | 記事参照 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
箱根新道(はこねしんどう)は、神奈川県足柄下郡箱根町の湯本から箱根峠までを結ぶ国道1号のバイパスである。全線が指定区間。また、全線が自動車専用道路のため125 cc以下の二輪車(原付一種および原付二種)は通行禁止。
かつては中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)が管理していた一般有料道路であったが、料金徴収期間満了により、2011年7月26日から恒久的に無料開放されている。
概要
古くからの温泉観光地である箱根湯本や強羅などをバイパスし、当時観光ブームであった芦ノ湖周辺へのアクセス改善および静岡方面との幹線道路としての国道機能を改善する目的で、1962年3月31日に京葉道路に次ぐ全国で2番目の自動車専用道路として開通した。
本線は2車線の対面通行である。「箱根の山は天下の嶮」の言葉は箱根新道においても例外ではなく、約14キロメートル (km) の道路の両端で780メートル (m) もの高低差があるために最急勾配区間は8%にも達し[1]、ほかの全区間も急勾配が続く。このため、下り線(登坂路)には途中4箇所に登坂車線が、上り線(降坂路)には、ブレーキ故障車用の退避所が多数設けられている。また、降雪時のタイヤチェーン規制時は全車チェーン装着規制となり、スタッドレスタイヤ装着車もチェーンを着装しないと流入できない。この際大型車両は並行する箱根地区の一般道路と同様に全輪にチェーンの装着が必要となり、さらに大型車のみ通行禁止の規制が実施されることもある。
- 起点 : 神奈川県足柄下郡箱根町湯本字山崎
- 終点 : 神奈川県足柄下郡箱根町箱根字境木
- 指定区間 : 全線
- 車線数 : 2車線
- 最急勾配 : 8%
- 制限速度 : 50 km/h(須雲川IC - 芦ノ湖大観IC間の「七曲り」区間は40 km/h)
- 償還完了 : 2011年(平成23年)7月25日[2][3]
歴史
年表
- 1958年(昭和33年)8月26日 : 事業許可(日本道路公団)[1]。
- 1959年(昭和34年)12月28日 : 「一級国道一号線改築工事(箱根バイパス建設工事)」として、事業認定[4]。
- 1962年(昭和37年)3月31日 : 国道1号の自動車専用道路に指定[5]。国道1号として供用開始[6]。料金徴収期間は、1982年3月31日までとする[7]。
- 1992年(平成4年)3月24日 : 料金徴収期間が、2004年3月30日までに変更[8]。
- 1995年(平成7年)12月22日 : 須雲川IC供用開始。料金徴収期間が、2012年1月30日までに変更[9]。
- 2005年(平成17年)3月 : 小田原箱根道路との連絡路供用開始。
- 2005年(平成17年)10月1日 : 道路関係四公団の民営化により日本道路公団から中日本高速道路株式会社に移管[10]。
- 2007年(平成19年)9月 : 一部区間で台風による災害が発生し通行止。
- 2009年(平成21年)2月19日 : 料金徴収期間が2011年7月25日までに変更[11]。
- 2010年(平成22年)6月28日 : 無料化社会実験開始[12]。
- 2011年(平成23年)6月15日 : 箱根PA営業終了[13]。
- 2011年(平成23年)6月19日 : 無料化社会実験終了[14]。
- 2011年(平成23年)7月26日 : 無料開放[2][3]。
社会実験と無料化
2010年6月28日からの無料化社会実験では本道路が無料化対象となり[12]、2011年6月19日で一時凍結[14]されるまで無料となった。
1995年(平成7年)に須雲川ICが供用開始した際の改訂によって、料金徴収期間は2012年1月30日までと定められた[9]。
しかし、2006年以降の料金収入増加に伴って検討された結果、翌月の7月25日を償還期限として再改訂され、社会実験の終了から約1か月後の7月26日に無料開放された[1]。無料開放に伴い、管理がNEXCO中日本から国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所に移管されている。
有料当時の通行料金
全線均一料金制
料金徴収区間は、山崎ICから箱根峠ICまで[12]であったため、箱根峠IC - 芦ノ湖大観ICのみの区間利用の場合に限り、通行料金は徴収していなかった。
2009年3月28日から2010年3月31日まで、深夜割引などのETC時間帯割引が社会実験として導入されていた[15]。
路線状況
インターチェンジなど
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 山崎IC から (km) | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
国道1号小田原箱根道路 E84 西湘バイパス 小田原・西湘二宮・藤沢方面、E85 小田原厚木道路 平塚・横浜町田・東京方面 | ||||||
山崎IC | 国道1号・東海道(箱根国道) | 0.0 | ||||
- | 箱根TB/PA | - | 本線料金所(廃止) | |||
須雲川IC | 神奈川県道732号湯本元箱根線 | 3.7 | 山崎方面との出入口のみ | |||
- | 畑宿BS | - | 6.4 | 停留所名は「新畑宿橋」(停留所番号:171) | ||
芦ノ湖大観IC | 神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線 湯河原パークウェイ 湯河原方面 伊豆スカイライン 天城高原方面 | 12.2 | ||||
箱根峠IC | 国道1号・東海道(箱根国道) 芦ノ湖スカイライン | 13.8 | ||||
国道1号・東海道 (笹原山中バイパス)三島・沼津・静岡方面 |
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 | 最高速度 |
---|---|---|
山崎IC-箱根峠IC | 2=1+1 | 50 km/h(一部40 km/h) |
道路施設
- ブレーキ故障車退避所
- 山崎方面に向かう上り線(下り坂)の5箇所に設置されている。スキージャンプ台のような坂台で、地面が激しい凹凸のついた砂地になっている。箱根新道は全区間片勾配なので、フットブレーキ多用によるブレーキ故障が発生しやすい(フェード現象またはベーパーロック現象)が、退避所に突入することで車を強制的に止めることができる。同様の退避所は周辺では箱根ターンパイクや小涌谷駅前にも設置されている。
- 非常電話
- チェーン脱着所
- 箱根パーキングエリア
地理
通過する自治体
脚注
- ^ a b c “箱根新道の概要” (PDF). 中日本高速道路. 2023年7月29日閲覧。
- ^ a b 2011年(平成23年)3月31日、中日本高速道路株式会社公告第14号「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」(同年8月25日訂正公告反映後)
- ^ a b “国道1号(箱根新道)が7月26日(火)より恒久的無料に ~管理が国土交通省へ~”. 中日本高速道路 (2011年7月11日). 2023年7月29日閲覧。
- ^ 同日、建設省告示第2625号「土地収用法第二十条の規定により事業の認定をした件」
- ^ 同年3月17日、建設省告示第613号「自動車専用道路の指定に関する告示」
- ^ 同日、建設省告示第1083号「一級国道一号線の供用開始に関する告示」
- ^ 同年3月20日、日本道路公団公告第10号「箱根新道料金徴収公告」
- ^ 同日、日本道路公団公告第23号「有料道路「箱根新道」の料金の額及び徴収期間の変更公告」
- ^ a b 1995年(平成7年)12月22日日本道路公団公告第47号「有料道路「箱根新道」の料金の額及び徴収期間の変更公告」
- ^ 同年7月28日、国土交通省告示第712号「日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団の業務の引継ぎ並びに権利及び義務の承継に関する基本方針」
- ^ 同年3月27日、中日本高速道路株式会社公告第15号「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
- ^ a b c 2010年(平成22年)6月25日、中日本高速道路株式会社公告第18号「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
- ^ a b "箱根パーキングエリア(上・下)営業施設の閉店のお知らせ" (Press release). 中日本高速道路株式会社. 1 June 2011. 2023年7月29日閲覧。
- ^ a b 2011年(平成23年)6月17日、中日本高速道路株式会社公告第20号「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
- ^ “箱根新道のETC時間帯割引等(社会実験)について -平成22年3月31日をもってすべて終了します-”. 中日本高速道路. 2010年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月29日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 国土交通省 関東地方整備局
- 横浜国道事務所
- 国道1号(箱根新道)が7月26日(火)より恒久的無料に 〜管理が国土交通省へ〜
| |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
通過市区町村 |
| ||||||||||||||||
主要交差点 | 日本橋 - 桜田門 - 遠藤町 - 青木通 - 高島町 - 浜松町 - 原宿 - 榎木町 - 長者町 - 大磯駅入口 - 小田原市民会館前 - 早川口 - 宮の下 - 南二日町IC - 上石田IC - 長泉IC - 富士東IC - 興津中町 - 清水駅前 - 常磐町2丁目 - 羽鳥IC - 北島 - 石原町 - 福塚 - 篠原 - 大倉戸IC - 境川 - 西八町 - 宮下 - 本宿町沢渡 - 八帖 - 新田南 - 宮越 - 熱田神宮南 - 白鳥橋西 - かの里東 - 弥富高架橋南 - 安永 - 四日市橋南詰 - 中部 - 大治田一 - 新栄町 - 国道水口松尾台 - 新矢倉 - 瀬田川大橋西詰 - 逢坂1丁目 - 横木2丁目 - 烏丸五条 - 堀川五条 - 京阪国道口 - 池之宮北 - 天の川 - 中振 - 中振南 - 京阪本通1 - 関目5丁目 - 梅新東 - 梅田新道 | ||||||||||||||||
バイパス |
| ||||||||||||||||
道路名・愛称 | |||||||||||||||||
道の駅 | |||||||||||||||||
主要構造物 | 日本橋 - 赤羽橋 - 多摩川大橋 - 新鶴見橋 - 青木橋 - 保土ヶ谷橋 - 赤関橋 - 原宿トンネル - 水道道橋 - 鳥井戸橋 - 馬入橋 - 花水橋 - 押切橋 - 親木橋 - 酒匂橋 - 西湘大橋 - 山王橋 - 旭橋 - 函嶺洞門 - 千歳橋 - 新富士川橋 - 新興津川橋 - 賤機山トンネル - 安倍川大橋 - 駿河大橋 - 藁科川橋 - 丸子藁科トンネル - 平成宇津ノ谷トンネル - 潮トンネル - 時ヶ谷トンネル - 原トンネル - 瀬戸川橋 - 谷稲葉トンネル - 東光寺トンネル - 波田トンネル - 新大井川橋 - 牧の原第1トンネル - 牧の原第2トンネル - 牧の原第3トンネル - 小夜の中山トンネル - ことのままトンネル - 同心橋 - 太田川橋 - 新天竜川橋 - 馬込新橋 - 浜名大橋 - 弁天大橋 - 中浜名橋 - 西浜名橋 - 潮見トンネル - 吉田大橋 - 小坂井大橋 - 佐奈川橋 - ほたる橋 - 大平橋 - 矢作橋 - 逢妻大橋 - 新境橋 - 大慶橋 - 白鳥橋 - 昭和橋 - 中島橋 - 一色大橋 - 三日月橋 - 富永橋 - 蟹江大橋 - 日光大橋 - 尾張大橋 - 伊勢大橋 - 町屋橋 - 朝明橋 - 海蔵橋 - 四日市橋 - 内部橋 - 安楽大橋 - 椋川大橋 - 鈴鹿トンネル - 田村橋 - 石部大橋 - 瀬田川大橋 - 東山トンネル - 五条大橋 - 鳥羽大橋 - 宇治川大橋 - 木津川大橋 - 京田辺トンネル - 桜宮橋 | ||||||||||||||||
自然要衝 | |||||||||||||||||
旧道 | 国道15号 - 神奈川県道30号 - 国道467号 - 神奈川県道43号 - 神奈川県道44号 - 静岡県道22号 - 静岡県道145号 - 静岡県道380号 - 国道139号 - 静岡県道396号 - 静岡県道208号 - 静岡県道381号 - 静岡県道217号 - 静岡県道415号 - 静岡県道413号 - 静岡県道312号 - 国道152号 - 国道257号 - 国道301号 - 静岡県道417号 - 国道42号 - 静岡県道・愛知県道173号 - 三重県道407号 - 三重県道28号 - 三重県道565号 - 滋賀県道549号 - 滋賀県道13号 - 滋賀県道・三重県道4号 - 京都府道143号 - 京都府道・大阪府道13号 | ||||||||||||||||
関連項目 | |||||||||||||||||
ウィキメディア・コモンズには、国道1号に関するカテゴリがあります。 |